
- 重松 清
- 文藝春秋
親子で読める作品
中学入試に出る作家との情報を聞き、小学6年生の息子に同氏の『半パン・デイズ』を買ってやったのが始まりでした。 息子が「重松清サンの別作品が読みたい」とのことで、こちらを購入しました。 子供の頃、オトナに関する理解は断片的なくせに、子供扱いされる現実だけを見て抵抗感を抱いていた記憶はありませんか? そんな心情が、単語、言い回し、文章の構成を上手く操り、リズミカルに表現されています。 自分にとっては「今は子供の前で偉そうなことを言っているけど、自分自身は子供の時分にそれほど立派だったかなぁ・・・もう少し子供に優しくしてやってもいいかな??」と思えましたし、おそらく、子供は子供なりに、リアルタイムの自分の心情が代弁されている共感を覚えたのではないでしょうか。 入試に役立つかどうかはさて置き、個人的にも、息子のリアクションを見ても、『半パン・デイズ』と合わせて買って良かったと思える2冊です。 ただ、我が家で購入した2冊以外の同氏の作品には、小学生に見せるには結構ヘビィかな?と思われる題材を扱ったものもあるので、選定に際してはご留意が必要だと思います。また、これら2冊の中にも、昭和の小学生にとっては当たり前だったレベルの暴力や性に関する記述もゼロではありませんので、その辺りに過敏な親御さんは、子供に渡す前に、許容範囲内かどうかご一読されては如何でしょう? 半パン・デイズ (講談社文庫)
読み応えは、あまりない。
短編集。 『オール讀物』に連載されていたもののようだ。 一話が16−17ページで、この文庫本に十七篇が収録されている。 主人公は皆、小学五年生、男子。 子どもと大人の中間よりも、もっとずっと子どもなんだけれど、 小学四年生と比べると、やっぱりちょっと大人になりかけているような気がする年頃。 女子はどんどん背が高くなっていって、中にはショチョウがあったらしい子がいる、なんて、 そんなことを聞くと、興味ないふりをしながらドキドキしてしまう時期。 転校生がいたり、自分が転校生になったり。 ゼッコウとか、友情とか、そういう言葉に振り回されてしまう小学五年生。 自分の子どもの頃を思い出しながら楽しみながら読める。 ただし、非常に短い物語りばかりなので、読み応えはあまりない。
後半は凄い!
正直、前半はかったるかったのですが、後半の盛り上がりと迫力は凄かったです。 やっぱりこの作者は力あります。凄いです。 でも、主人公はすべて男の子、女性はどんな風にこの作品を読むのでしょう。 私は男なので、男なら必ずわかるし楽しめると思うのですが。むしろ女性に読んで欲しい作品でもあります。 この作品の中には「男(の中には必ずいる男の子)」が一杯詰まっています。
望郷の思い
私の故郷が広島で、重松さんが岡山と山口で生まれ育っているため、故郷の方言がそのまま出ていて、それだけで懐かしく感じます。本書は17編の短編集ですが、どれも主人公は小学5年生の男の子です。半分大人の世界が見えはじめ、背伸びをしても大人の世界に入っていけないもどかしさを感じるのがこの頃です。異性を気にし始めたのもこの頃で、遊びや勉強などの行動範囲も急激に広くなるのもこの頃です。自分が小学5年生だった頃を懐かしく思いながら、そして今ちょうど小学5年生の長男のことを考えながら一気に読み終えてしまいました。テーンエイジの入口に立つ小学5年生は人生の中では非常に中途半端な位置だけど、成長の過程では非常に重要な年だったんだなと改めて感じました。
小学五年生の人間模様
最初の数ページで涙腺がゆるむ。 重松は少年を描きながら、なぜこれほど大人を泣かせるのだろう。 実にうまい。短編で泣かせるのは至難の業だと思うが。 どの短編も涙腺を刺激されてしかたない。 様々な小学5年生を主人公に子供同士、 あるいは対大人とのやりとりを通じ話は展開するが、 大人の心をつかめるのは、重松は一見子どもを描きながら 人間を描いているからだと思う。
- くちぶえ番長 (新潮文庫)
- 重松 清 / 新潮社
- きよしこ (新潮文庫)
- 重松 清 / 新潮社
- きみの友だち (新潮文庫)
- 重松 清 / 新潮社
- 半パン・デイズ (講談社文庫)
- 重松 清 / 講談社
- しずかな日々
- 椰月 美智子 / 講談社
- 日曜日の夕刊 (新潮文庫)
- 重松 清 / 新潮社
- 夏を拾いに (双葉文庫)
- 森 浩美 / 双葉社
- みんなのなやみ (新潮文庫)
- 重松 清 / 新潮社
- 卒業 (新潮文庫)
- 重松 清 / 新潮社
- アーモンド入りチョコレートのワルツ (角川文庫)
- 森 絵都 / 角川書店